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原生種、あるいは原生種に近い花たちのお話です

原生種の花たちは、豪華でなくても、小ぶりでも、改良品種には決して見られない鮮烈な美しさに満ちています。
店にあふれる花。それらのほとんどが、改良を重ねられたもの。そこにも深く多彩な花の世界があります。でも、それらの花には必ず元になった原生種があります。 その清々しい姿、形色、香りは、悠久の時間と風土が生みだした、かけがえのない野生の輝きなのです。

 
4.ノイバラ  野いばら(ロサ・ムルティフローラ)  
●wild data
花季 5〜6月 原産地:日本 ユリ科
ツルバラのルーツは日本の野イバラ!

川辺や土手などでみかけた白い一重咲きの野イバラ。その可憐な野性味と、近づくだけで匂ってくるよい香りは、子供心に土の匂いとともに焼きついています。日本人なら、きっと一度は見たことがあるこの野イバラ。実はこの可憐なバラが、現在の数々の房咲きバラやツルバラのルーツのひとつなんです。驚きですね。 

 
2万種!のバラ。その原種は8種、うち3種が日本のバラ!!
いま、2万品種以上あるといわれるバラ。その品種の多さは、バラがいかに愛されてきたかを物語るものでもあります。まったくバラは特別ね。
その2万種の、主なルーツとなった原種は約8種のバラで、うち3種までが、日本のバラ!!
一つは、さきほどお話した野イバラとロサ・ウクライアーナ(テリハノイバラ)、そして雅子妃の花、ロサ・ルゴサ(ハマナス)です。これら日本の原種バラは、他の国の原種バラとともに、おびただしい改良品種の誕生を支えてきたのです。
どこかのお宅のフェンスやアーチに絡むツルバラや房咲きのバラ、そして今人気のミニチュアローズも、その多くがこの白い野イバラがルーツなのです。
現在確認されている野生のバラは、世界で約200種とか。そのうち日本原産のものが14種も! イラン、コーカサス、小アジア、フランス、イギリス、アメリカ、中国ほか世界各地に野生バラがあり、それぞれ、その風土ならではの鮮烈な個性をもっています。
 
参考文献
「花と日本人」(中野進著)「江戸時代の自然」(青木宏一郎著)
「花ことば」(春山行夫)「新日本植物図鑑」(牧野富太郎著)
「香りのバラ」(桐原春子著)ほか
 
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